畳の「裏返し工事」は開けてみないと分からない

お仏壇の前の畳に5センチ位のシミがありました。他の5枚はきれいに退色しています。何でシミになったのか原因は分からないらしいです。「畳屋の経験上裏まで行ってるよ」と説明。1枚だけ新しい表にする手もありますが、1枚だけすごく青い畳が混じって変に目立ってしまいます。結論は「裏側まで変色していても自分で使うのだから構わない」と言うことで6枚全部を裏返し。

縁を剝がして表の裏面を見ると思った通りのシミ。何か薬剤でその部分をこすったのでしょうか、薬剤らしきシミも出てしまっています。表全体に水ブラシを掛けてタオルで拭き上げておきました。少しはシミが目立たなくなりましたね。シミのことを除けば裏返しの低予算できれいなお部屋に生まれ変わりました。

畳替え工事の種類は以下の3種類(値段が高い順)です。

  1. 新畳(表・床・縁すべてを新規にする)
  2. 表替え(表・縁は新規、床は既存のものを使用する)
  3. 裏返し(縁は新規、表・床は既存のものを使用する)※裏返した表の色合いは青み(葉緑素の色)が消えて白っぽい色合いです。
どんなことでシミができるのか

食べ物飲み物をこぼしたままにした。灯油をこぼした。化粧品をこぼした。生花の器から水が垂れていた。窓から雨が吹き込んだ。万年床の汗のカビ。犬猫のオシッコ。濡れタオルや濡れた衣類を放置した。

液体類を畳にこぼしたときは速やかにふき取ってください。すでにしみ込んで時間がたってしまった場合は、濡れタオルや洗剤をしみ込ませたタオルで拭き過ぎると、逆に水分がしみ込み過ぎて裏面までひどく変色することも多いです。

こんな気持ちでご依頼ください

裏返しの依頼を受けていざ表を剥がしてみたら大きなシミが現れることも多々ありますね。シミを作った当時から年数がたって全体に退色が進んで、ほとんど見分けが付かない場合があるからです。水ブラシをかけてタオルで拭くと目立たなくなる場合もそうでない場合もあります。

裏返しは全くシミもなくも「きれいに仕上がりましたねー」の場合がほとんどですが、「ちょっとここにシミが出ちゃいましたねー」と言うこともあります。開けてみないと分からないのです。「自分で使うのだから構わないわー」という感じでご依頼をお願いいたします。